ありふれたラブレターの後日談
序
これはあとがたりーーーー
いまだ恋を知らぬ人に恋をした。
届かぬ愛を込めた裏話。
未練
疑いで満ち溢れていた数日を経て、やっと落ち着いて文で認める事が出来そうだ。
ただ解かってくれないだけかもしれない。
言い訳に過ぎるかもしれない。
俺を避けるため、ほかの人に恋をしたため、最初からそういうのは無かったため、いろんな理由が脳裏を走りまくる。
だがな。
それらは当たっても外れても結局は自分の妄想に過ぎない。直接聞いたって何の意味も持たない。
人間関係も結局、原因不明なら結果が全てなのだ。
受けられれない自分を慰めず、抉って抉って無くすしかないのだ。思い出になる前に、摘出すべきだ。
オトナブルー
年甲斐もなく、大人げない自分であっても他人に告白するのがどれぐらい難しい行為なのかは知っている。そして、今回も肝を冷やす感覚でソレを成した。悪ふざけの様に告白して、ソレがなった突然と態度を変え、大人ぶってしまった。年齢の差という固定観念から逃れられなかったのだ。
ギャップを崩すのなら言葉だけではなく、模範を見せるべきだったって事だ。
振り返ると余りにも堅物だったせいで、自分が醜悪にさえ見える。
これはフラれても当然だわな。
叱りたい心
相手を叱ってやりたかった。精一杯罵倒し、涙を流せたかった。
だがな。けれどな。
此処こそ大人を見せるべきなのだぞ。愛の言葉を囁く時ではなく、引き際に潔く引くのが大人なのだ。喧嘩しても無く、ごく平和なお別れを成し遂げたのではないか。もう別れた以上、相手を気にするんじゃない。誇れ、自慢話にはならないが、せめて自分自身はそれが至難の業である事を熟知しているんだ。
だから、叱らず受け入れよ。全ての言の葉を交わし、お互い納得したんだ。
これから
連絡こそ持たないが、ブロックはしていない。再会の為ではなく、大人として相談役にでもなろうかな、と思った訳だ。一方的な遮断で楽になりたい気分も無くはないが、どうせ「愛を知らない自分」に対して相談が欲しくなれば嘲笑したくなった。
「やっと辿り着いたか。恋煩いでもっと苦しめ」とからかってあげたい。やばい。餓鬼が蘇ってくる。
最悪だな。
さようならを言わず
俺に不思議な事があったのなら、十日間の中であの人に「さようなら」を言った覚えがない。いや、記憶の中に一切ない。今だからこそ言いよう。去った後だから、ぼさっと。
「さようなら。」
これでようやく、君を縛ろうとした赤蛇はその姿を隠し消えたのだ。